徒然日記

映画、小説、日々の生活などで自分の感じたことなどをその時の気分で書いてます。

万引きGメンすげえ。――と、思ったらマジシャンすげえ。

水曜日のダウンタウン』を見ておりました。知らない人も居ると思うので簡単に説明すると、この番組は『ロメロスペシャル整体中にかけられても気づかない説』などのあらゆる説を検証するという番組です。
その『水曜日のダウンタウン』の本日放送分の中で、『悪いマジシャンに本気出されたら、万引きGメンでも見抜けない説』というのものがありました。

 

この説の検証方法として、貸し切りをしたスーパーの中に十名の客を入れて制限時間一杯に普通に買い物をしてもらう。その十名の中にマジシャンを二名忍ばせる。万引きGメンも二人体制で、死角無く設置された防犯カメラをチェックする係と店内を巡回して監視する係に分かれてマジシャンを見つける。制限時間後、万引きGメンは順番に退店する客の中でマジシャンだと思った人物に声を掛け、万引きした商品を言い当てる。この際、万引きGメンから声を掛けられないor声を掛けれても万引きした商品が2品以上当てられなければマジシャンの勝利。逆にマジシャンを正解させ、見抜けなかった万引き商品の品数が2品未満なら万引きGメンの勝利という検証方法でした。

 

最初は正直、万引きGメン相当に不利じゃね? とか思っていたですが、開始早々に万引きGメンは挙動が怪しい(ちなみに、僕にはどこが怪しいのかまったくわかりませんでした)とマジシャンに見当をつけたり、欠伸をしていたということだけで候補から除外していたりしていました(しかもそれが正解なのです)。

 

そして制限時間後、万引きGメンはあっさりと一人目のマジシャンを見抜きました。僕は『万引きGメンすげえ』と思いました。しかし、ここから僕はさらに驚きを覚えました。何故なら、万引きGメンがすごかったのはここまでで、後はマジシャンの凄さを大いに見せつけられたからです。
一人目のマジシャンが万引きした商品はカップ麺とマヨネーズ(小型のもの)と万引きGメンは宣言しましたが、それはまったくの不正解でした。そして答え合わせのためにマジシャンが万引きした商品を取り出すと、出るわ出るわ。お菓子のラムネなどの比較的万引きし易そうな商品から、キュウリやキウイ。さらにはお魚一尾まるまるなど、その数実に十五品。それだけ万引きしておいても、万引きGメンは一つも見抜くことはできなかったのです。
そして二人目は、怪しまれこそしたものの、なんとマジシャンだと見破られることさえありませんでした。怪しかったが、盗んだような挙動をしていなかったというのが除外の理由だったそう。その万引きGメンさえ欺いた手口はなんと、偽物の右手でカートの取ってを握っているように装い、その実、隠していた本物の右腕で堂々と万引きを行っていたのです。その人の万引きした商品の中には、どこにかくしていたのか長ネギさえありました。

 

つまり、結果としてはマジシャンの圧勝です。しかし、これは決して万引きGメンの方が悪いわけではありません。寧ろ、すぐに怪しい人間とそうでない人間を見分ける彼らの能力は普通に凄いと思います。たが、それ以上にマジシャンの洗練された手の器用さや業が凄かった。それだけなのです。さすがに、普段から衆人環視の中でトリックを見破られることなくマジックをやってのけるマジシャン。凄い人になると、トランプの束の中から真上のカードを取ると見せかけて任意の場所のカードを抜き取ることさえできるらしい彼らマジシャンの日々の訓練の賜物です。そんな彼らが本気を出せば、幾ら常人よりも観察眼さ優れているからといっても、二人程度の人数を欺くことはそう難しいことではないのかもしれません。
僕はそんなマジシャンを見ながら、ずっとテレビに向かって『マジシャンすげえ』と声をあげていました。

 

ちなみに、番組でも注意喚起がされていましたが、万引きは立派な犯罪です。このブログを見たからと言って、決して万引きをしないでください。また、万引きなどの犯罪に利用するためにマジックを習得しようorマジシャンを目指そうなどとは決して思わないように。
マジックは素晴らしい娯楽の一つです。そのマジックという娯楽をを生み、それを洗練させてきた先人や現代の熟練者と、その文化性を崩壊させないためにも、マジックの技術を犯罪に利用されることがないことを願っています。