徒然日記

映画、小説、日々の生活などで自分の感じたことなどをその時の気分で書いてます。

映画「ブラック・シー」のあらすじと感想

お久ぶりです。
今回は久々に映画の紹介・感想をだらだらと書き綴って行きたいと思います。

映画のタイトルは『ブラック・シー』。個人的なハゲなのに魅力的な三大俳優の一人で、ペプシのCMで鬼役として出演もしたジュード・ロウが主役の映画です。(ちなみに残りの個人的なハゲなのに魅力的な三大俳優はジェイソン・ステイサムニコラス・ケイジのお二人です)

以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

過去には海軍に所属し、潜水艦のプロとしてイギリスのサルベージ会社であるアゴラ社に勤めていたロビンソン(ジュード・ロウ)はある日、唐突に解雇を言い渡されて会社をクビになります。理由は確か、潜水艦を使った仕事の需要が減ったからだったと思う。
海軍時代からずっと海での仕事を続けていたロビンソンは、中々陸での転職先を見つけることが出来ないでいた。
また、潜水艦に乗っている間は海に出ているため、長期間家を空けるという事がざらだった。そんなロビンソンに愛想を尽かした妻は子供を連れて彼の元を離れ、今ではとある富豪と再婚をしていた。

金も無く妻にも捨てられ子供にも合わせる顔がなく、負け犬のような人生に転落してしまったロビンソンでしたが、ある時転機が訪れます。
昔の仕事仲間であるカーストン(ダニエル・ライアン)とブラッキー(コンスタンチン・ハベンスキー)とロビンソンの3人で飲んでいると、カーストンから人生を一発逆転させる事が出来るほどの儲け話を聞かされました。その儲け話とは、大量の金塊を乗せたままのUボート黒海に沈んだままになっているので、それを自分たちで引き上げようというものでした。
ちなみにこのUボートの金塊は、第二次世界大戦時にソ連スターリンがドイツのヒトラーへ融資するために積んでいたものであるらしい。それがUボート沈没のため、結局はドイツに届かず黒海の底に眠ったままになっているというわけだ。

この金塊はアゴラ社がグルジア政府からの依頼を受けて引き上げる予定だったのですが、運悪くグルジアとロシアの間で争い事が起こり計画が頓挫したため、紛争が終わるまでは誰も手付かずであるという状況。
ロビンソン同様に元アゴラ社の社員であったカーストンは現役時代にその話を耳にしており、会社を首になった現在、紛争が終わる前にアゴラ社を出し抜き金塊を奪うためにロビンソンたちにその話を持ち掛けたのでした。

二つ返事でその話に乗ったロビンソンたちは、第一に潜水艦の調達を始めました。潜水艦の調達に当てのあったカーストンに教わり、ロビンソンとブラッキーは大富豪であるルイスという人物の家を訪ねます。
ルイスの部下であるダニエルズ(スクート・マクネイリー)が仲介役となり、彼の紹介でルイスと面会したロビンソンたちは、Uボートの金塊と、その金塊を引き上げる為に潜水艦が必要なのでルイスの財力を用いて用意して欲しい旨を伝えます。
ルイスは自身の取り分は金塊の引き上げで得た総額の4割。また、最低保証金額は4千万(2千万だったかも)とし、もし取り分である4割がその金額に満たない場合、最低でもそれだけの金額は自分が貰うという条件で潜水艦を用意すると約束しました。

ルイスの条件を飲み、潜水艦の目途がついたロビンソンとブラッキーは、次にメンバー集めを開始します。
必要なメンバー12名で、誰を誘うかレストラン(喫茶店?)でロビンソンとブラッキーが相談し、メンバーを決定していきます。
ロビンソンと同じ元海軍で、潜水艦に詳しいレイノルズ(マイケル・スマイリー)と・ピータース(デビッド・スレルフォール)。
キチ○イだが半魚人と呼ばれる程の潜水技術を持つフレイザーベン・メンデルソーン)に、同じく潜水員のギッテンズ(ブランウェル・ドナヒー
ピカ一の耳を持つソナー員のババ(セルゲイ・ベクスラー)。エンジン整備担当のザイツェフ(セルゲイ・プスケパリス)。
電気整備担当のレフチェンコ(セルゲイ・コレスニコフ)。海図担当のモロゾフ(グリゴリー・ドブリギン)。
スポンサーであるルイスの命令で監視役としてダニエルズと、メンバーは次々と決まっていきました。

しかし、事は順調に進んでいるかと思いきや、実は発起人でもあるカーストンとずっと連絡が取れない状況が続いていました。そんな折、ロビンソンの家の前で一人の若い青年((ボビー・スコフィールド))が彼の事を待っていました。
トビンと名乗るその青年は、ロビンソンにカーストンが死んだことを告げにやって来たのでした。カーストンには借金があり、保険金でその借金を返済するために睡眠薬と大量に飲んだ事。そして、カーストンが「すまない」と伝えて欲しいと言っていた事をトビンはロビンソンに話します。

メンバーの一人として決定していたカーストンの代役として、ロビンソンはトビンをメンバーに誘いました。
そうして、最終的な12名のメンバーが決定しました。その内訳はイギリス人とロシア人が大体半分ずつ位となりました。何故ロシア人が多いかという理由はうろ覚えなのですが、確か海域の問題で何人かはロシア人のメンバーが必要とかそんなだったような気がします。

そんなこんなで決定したメンバーは以下の通り。
イギリス勢
・ロビンソン……艦長
・レイノルズ……海軍出身者
・ピータース……海軍出身者
・トビン……カーストンの代わり
フレイザー……潜水員
・ダニエルズ……監視役
ロシア勢
レフチェンコ……電気整備担当
・ザイツェフ……エンジン整備担当
・ババ……ソナー員
モロゾフ……海図担当
・ギッテンズ…潜水員
不明
ブラッキー……通訳?
彼は英語、ロシア語ともに堪能で、ロシア勢と仲良しなのですが、最初からロビンソンと行動を共にしているので、ロシア人なのかイギリス人なのか、僕には判別かつきませんでした。

そうして出航の日、用意された潜水艦は老朽化の進んだボロ艦でした。しかしそこはプロのメンバーたち。きちんと出航できる状態に仕上げるため、各自メンテナンスを行います。
艦長として艦内をくまなくチェックしていたロビンソンは、いざという時の脱出用スーツを三着発見しました。しかしメンバーは12名。ロビンソンはそっとその脱出用スーツを隠します。
メンテナンス中、ロシア勢がトビンの存在に対して文句を言っているとブラッキーがロビンソンに相談しました。どうやらロシア勢は潜水艦に童貞を乗せると不吉なことが起こるという迷信を信じているらしい。だが、ロビンソンはそんな迷信は信じないと一蹴。ちなみにこれは後ほどで判明するのですが、トビンにはお腹に自身の子を宿した彼女が居り、まったくもって童貞なのではありませんでした。金が無いことを除けば十分なリア充だったわけですね。

何とかメンテナンスも終わり、改めてロビンソンからメンバーに対して今回の計画の内容が説明されます。そして、肝心の配当はルイスに渡す分を差し引いた6割をメンバー全員で均等に配分する旨が話されました。
配当について話した事は早計で、取り分で不満が発生し、人が減れば取り分が増えると考える者が現れる危険性があるとダニエルズがロビンソンに忠告をします。その忠告にロビンソンは耳を傾けなかったのですが、ロビンソンのこの不安は半ば的中。
どうやらロシアとイギリスでは貨幣価値が違うようで、金塊を均等に分けたとしても実質的にはロシア勢の方がイギリス勢よりもずっと儲けは多く、不公平だとイギリス勢から不満が発生。イギリス勢がロシア勢に喧嘩を売るような行動をし、両者間に溝が出来ていきます。

そんな折、二つの事件が起こります。一つ目は、探知されて自分たちの存在がバレる危険性があるため使用を禁じていた無線機を、メンバーが勝手に使用したこと。その理由は、宝くじを買っていたメンバーがその結果を聞くためだった。しかもこの宝くじ、どうやらイギリスメンバーが個人的に購入していたものと、ロシア勢のメンバーと共同で購入していたものがあるよう。そのためロシア勢は半分寄越せと主張し、イギリスメンバーは全てこっちのものだと主張。
無線機使用の事実とその喧嘩に怒りを覚えたロビンソンは、斧で無線機を破壊した後、宝くじを没収し燃やしてしまいました。ここで、ロシア勢とイギリス勢の対立がさらに強くなりました。

それからまもなく、二つ目の事件が起こります。エンジン整備をしていたザイツェフの手伝いを指示されていたトビンが、ブラッキーから教わったロシア語を間違えて作業ミスを起こし、ザイツェフに怪我をさせてしまいました。トビンはわざとではないと謝罪をしますが、ザイツェフとブラッキーから責められます。そこにフレイザーがやってきます。彼はロシア勢が気に入らない事もあり、トビンを擁護してブラッキーと口論になります。その際、フレイザーは隠し持っていたナイフをブラッキーへとちらつかせます。ナイフに怯むことなく、フレイザーに「危険じゃないか。ナイフをこちらに渡せ」という旨の発言をします。それを聞いたフレイザーはなんと「これが欲しいのか? じゃあやるよ」みたいな事を言ってブラッキーの胸にナイフを刺してしまいました。メンバー集めをしている時の評価通り、フレイザーはまさにキチ○ガイだったわけです。ナイフを刺されたブラッキーはふらつき、その拍子にエンジン整備のために抜いていた燃料を入れていたバケツを倒してしまう。そして零れてしまった燃料に火が引火してしまい、艦内で爆発事故が起こってしまいます。

爆発の衝撃で艦は大きく揺れ、ロビンソンはその際に頭部を強打して意識を失ってしまいます。しばらくして目を覚ますと、ロビンソンはフレイザーブラッキーを殺した事。爆発でシャフトが壊れ潜水艦が沈没した事。その爆発事故に巻き込まれ(確か)ギッテンズも死んだ事。フレイザーの凶行を知ったロシア勢が、水を確保して艦内の反対側に陣取ってしまった事など様々な出来事を聞かされます。

艦が沈没した状態では、ただ死を待つのみ。この現状を打破するため、残った乗組員全員の力が必要でした。そのためロビンソンはフレイザーへの怒りを押し込め、拙いロシア語でロシア勢の説得を試みました。すると運の良いことに、ロシア勢の一人であるモロゾフが実は英語に堪能であることが判明。彼曰く、今までは必要が無かったから喋らなかっただけとのこと。

壊れているのは(確か)シャフトで、これまた運の良い事にこれは金塊を積んで沈没しているUボートの物を代用することが可能でした。もしUボートのシャフトが壊れて無ければ部品の交換が出来て、艦は問題なく浮上できるのです。ちなみに本当かどうかは不明ですが、映画内では黒海の底には酸素が無いらしく、部品の劣化は起きないと説明されていました。なので、古いUボートの部品でも破損さえなければ問題なく使用できるようです。

ブラッキーの代わりとしてモロゾフに新たな通訳となってもらい、現状打破の可能性をロシア勢に伝え、生き延びるために皆が協力することに合意します。沈没前に既にUボートにかなり近づいていたので、潜水員であるフレイザーと、亡くなったギッテンズの代わりにスキューバダイビングの経験があったトビンが艦の外に出て近くにあるはずのUボートの捜索に向かいます。
途中、トビンが海の谷に落ちそうになるなどのハプニングがありながらも、二人は泥に埋まったUボートを発見。中に入りシャフトを確認すると、無傷だったため代用品として使用可能の状態であることに喜びます。シャフト回収のため新たにレイノルズが合流し、三人で回収作業を開始します。シャフトを台車に乗せ、それを潜水艦のワイヤーで引っ張ります。

すると、最高パワーでワイヤーを巻き上げているにも関わらず、異常に重く中々台車を引っ張ることが出来ません。ロビンソンがトランシーバーで確認すると、どうやらちゃっかりと金塊を発見しており、それも一緒に積み込んでいたことが判明。
なんとか台車を動かし、順調に艦へと進めていく三人。すると、台車の車輪が谷間の端に引っかかりそうなことが判明。通常であれば問題ないが、シャフトと金塊という重量物を積んでいるため、車輪を取られれば台車はそのまま谷へと落ちて行ってしまう危険性が極めて高い。
なんとかそれを避けようとするも、台車が重すぎて方向転換が上手く出来ない。シャフトが回収出来なければ浮上出来ずに艦での死が確定してしまうため、ダニエルズは金塊など捨てろと主張。だが、ロビンソンはそもそも当初も目的は金塊なので、現場の人間(フレイザー・トビン・レイノルズ)が出来ると判断しているのなら一緒に引き上げるとダニエルズの意見を却下。

結果として台車は何とか谷間を避けシャフト・金塊ともに回収には成功しましたが、その代償としてレイノルズが谷間へと落ちて行ってしまいました。また一人メンバーを失ってしまったロビンソンたち。さらに金塊分の重量が増したことで、問題なく浮上出来る想定だった艦も難易度が高くなってしまいます。艦を浮上させるにはそれぞれが持ち場の仕事に専念せねばならず、そのためには今まで艦の仕事など一切行っていなかったダニエルズにも仕事をしてもらわなければならないというロビンソン。

ダニエルズは金塊さえ捨てればそもそも問題ないとそれを拒否しますが、ロビンソンはせっかく回収した金塊は捨てるつもりはありませんでした。そんなロビンソンを見かねたダニエルズは、彼と二人きりで話がしたいと言い、艦内の別の部屋に移動します。そこで、ダニエルズはロビンソンに衝撃の事実を告げます。

実はこの金塊の回収は、裏でアゴラ社が糸を引いているのでした。潜水艦を用意したルイスという人物はそもそも存在せず、彼はアゴラ社に雇われただけの役者でした。また、この話を持ち掛けたカーストンも仕掛け人の一人としてアゴラ社から金をもらっていました。(つまり彼は自殺をしたのは保険金での借金返済のためなどではなく、昔の仲間であるロビンソンたちを金で売ってしまったことによる後悔だったわけです)。
しかもアゴラ社はグルジア政府と既に話をつけており、ロビンソンたちが金塊を持って浮上した瞬間にグルジア政府に逮捕してもらい、金塊はアゴラ社とグルジア政府で半分ずつ横取りをする算段だったのです。

その衝撃の事実に、この金塊回収計画で人を死なせた事、また年若いトビンを巻き込んでしまった事をロビンソンは後悔します。ロビンソンはダニエルズに、殺されないように今からベルト等を使いこの部屋を外から開けられないようにしろと言って部屋を出ます。そして、ダニエルズから聞かされた事実を生き残っている他のメンバーに伝えました。

話を聞かされたメンバーはダニエルズを殺すと怒りを露わにしたり、その事実に絶望したりします。そんなメンバーに、ロビンソンは続けて目的地を変更することを伝えます。このまま浮上すれば逮捕されるだけなので、ロビンソンは東へ向かって進むつもりでした。ロビンソンたちがいる海域の東にはロシア軍の海軍の基地があるらしく、その近くまでいけばロシアと紛争中のグルジア政府は介入して来れないと考えたのです。

艦を動かすにはダニエルズの力も必要だったため、メンバーは一旦彼への怒りを押し込め、自分たちに協力をさせます。シャフトを交換し、無事に動き出す潜水艦。そのまま東へ向かって進むも、なんと幅が100メートルほどしかない谷間を抜けなければならないことが判明。
燃料の問題で迂回することは出来ず、ロビンソンは周囲が無理だとかもう諦めようと言う中で、ほぼ独断でその谷間を進むことを決定。

皆は渋々と艦長であるロビンソンに従います。そんな中、エンジン担当のババの元で、フレイザーと一緒に手伝いをしていたダニエルズ。人一倍助かりたいと思っている彼は、未だロビンソンの決断に納得していません。そんなダニエルズは、ババを殺すようにフレイザーを唆します。今の人数が潜水艦を動かすための最低人数なので、もう一人誰かが死ねばロビンソンも自身の計画を諦めざるを得なくなるとダニエルズは考えたのです。

この時にはフレイザーもロビンソンへの不信感を募らせており、彼は結局ダニエルズの誘いに負けババを殺してしまいます。エンジン整備が居なくなり、艦が一瞬大きく揺れます。ダニエルズとフレイザーが、その衝撃でババが頭を打って死んでしまったとロビンソンに嘘を吐きます。しかし、ロビンソンはそれを信じません。

そんな時、突如電気系統に異常が生じ、潜水艦が再び沈没してしまいます。先の沈没よりもさらに深い場所に沈んでしまい、その圧力に耐えきれず潜水艦内の一部が破損し、そこから海水が侵入してきます。モロゾフを操縦室に残し、他の全員で浸水を防ごうとする中で、圧力に耐えられず新たに破損した箇所から勢いよく入ってきた海水を顔に受けてしまったトビンが意識を失ってしまいます。ロビンソンは浸水の措置を一旦他のメンバーに任せると、安全な操縦室までトビンを担いで移動させて蘇生措置を行います。

浸水を防ぐことは難しく、一足早く逃げたダニエルズが他のメンバーを残してハッチを閉めてしまいます。しかし焦っていた彼は、自分の服をハッチへと挟んでしまう。操縦室から様子を見にやってきたモロゾフは、一人だけのダニエルズを見て彼が他のメンバーを見捨てた事を察します。

浸水の勢いはすさまじく、ダニエルズの閉めたハッチを今にも破ろうとしている。服を切るためにナイフを貸してくれと懇願するダニエルズですが、彼はモロゾフに見捨てられます。モロゾフは操縦室までのハッチを全て塞ぎ、ダニエルズは結局浸水してきた海水に飲み込まれてしまいます。

操縦室まで海水が侵入してくるのは時間の問題でした。ロビンソンはそこで、ようやく脱出用スーツが3着だけあったことを打ち明けます。モロゾフに避難されながらも、トビンとモロゾフにスーツを着せ、二人を先に脱出させようとするロビンソン。脱出するための通用口を開くために艦内での作業が必要だったのです。艦内に残るロビンソンを不安に思うトビン。そんな彼に、ロビンソンは脱出用の緊急レバーが一つだけあるから大丈夫だと告げました。そしてトビンに続けて「自分は父親として失格だった。お前は俺のようになるな。しっかりと子供の側に居てやれ」と言います。

脱出用スーツのおかげで海面まで浮き上がったトビンとモロゾフ。ロビンソンを待とうというトビンに対し、脱出用のレバーなど存在しないことを告げるモロゾフ。それはロビンソンの嘘だったのです。その頃ロビンソンは、艦内の金塊の山に座りながら煙草を吸い、家族と一緒に暮らしていた幸せだった頃の過去を思い出していました。そんなロビンソンはこれから死ぬというにも関わらず、とても満足そうな表情をしていました。

モロゾフの言葉で、自分たちを助けるためにロビンソンが自ら死を選んだ事に気付いたトビンは悲しみます。と、その時、3着目の脱出用スーツが浮き上がってきました。ロビンソンだと思ったトビンとモロゾフは泳いでスーツに近寄ります。するとその脱出用スーツにはロビンソンが詰めるだけ詰んだ金塊と、彼の家族の写真が入っていたのでした。


長々と書き連ねましたが、映画の概要はこんな感じです(ちょっと古い記憶なので、たぶん何か所が間違いがありそうな気がします。ごめんなさい)。
で、ここからは映画を見た個人的な感想です。

この映画は、けっこう色々な場面で見られる皮肉が見どころになっていると思います。
例えば全ての黒幕だったアゴラ社。アゴラ社は潜水艦での作業はもう古く、ロビンソンたちのような潜水艦のプロももう必要がないと判断して彼らをクビにしています。けれど結局、莫大な金額になる金塊を手に入れるためには、そんな彼らの力が何よりも必要だったわけです。
また、万全を期すために監視役としてダニエルズを潜水艦に乗せたこと。これも、彼は助かりたい一心で計画の真相をロビンソンに話しましたが、そもそもダニエルズが何も言わなければロビンソンは潜水艦を東には進ませずに、そのまま浮上したはずです。もちろん金塊を捨てて浮上した方が助かる確率は高いのですが、ダニエルズが普通に協力すれば無事に浮上できたような気がします。
そうすればアゴラ社は普通に金塊を手に入れる事が出来ていました。しかし結果としては、ダニエルズが居たためにロビンソンは東へ潜水艦を進ませ、船を沈没させてしまいます。この事実はアゴラ社は知ることが出来ないわけですから、アゴラ社はもうロビンソンが詰めれなかった残りの金塊を手に入れることも叶いません。つまり、アゴラ社の努力は全て水の泡になってしまったというわけですね。

その他にも、フレイザーをメンバーに加えたこと。実は彼、ブラッキーとロビンソンがメンバー決めの相談を際に、キチ○イという理由でブラッキーは反対していました。ですがロビンソンは、能力は高いとメンバー入りを決定させます。そんなフレイザーは結局、ブラッキーの殺害という沈没の発端となった問題を起こしたわけです。つまりロビンソンはオモックソ人選を間違ってしまったわけですよ。
ただ、もしこの事件が起こってなければ、ロビンソンは普通に金塊を回収出来ていた事でしょう。ですがそうなれば見返してやるつもりだったアゴラ社が黒幕だと気付けず、ロビンソンには犯罪者としてグルジア政府に逮捕されるという結末が待っていたわけです。

個人的には死ぬくらいなら逮捕される方が大分マシだとは思います。ですがこの映画の内容において逮捕という結末を考えるなら、ロビンソンは見返してやるつもりだったアゴラ社に利用されているだけでなく、年若いトビンまで逮捕に至ってしまうことを嘆き悲しみ、死ぬまでその航海に苛まれることでしょう。
これも結果としてですが、フレイザーという間違った人選をしたことにより、ロビンソンは肩入れしていたトビンに自分は出来なかった父親としての在り方を教え、また少なくない金額となる金塊を渡せ、そして自身も満足な気持ちで死んでいくことが出来ました。
あとついでに、アゴラ社を見返すとまではいかなくとも、ちょっと痛い目(金塊を手に入れることを不可能にし、それまでに費やした費用を無駄にさせてやる)に合わせてやることも出来ました。

まあ、結構唐突な展開だったり、ちょっとパターン化してしまっている展開もあります。それをそこまで気にしないタイプの人ならば、シリアスな展開は多いので簡単には飽きたりしない映画だと思います。
あと個人的にすごい思ったのは、結局は序盤から中盤のちょっと残念なジュード・ロウや、最後場面の超かっこいいジュード・ロウを見るための映画だと思いますね。

てかジュード・ロウ、マジでイケメン。マジでセクシー。おそらくサンシャイン斎藤よりもセクシーに愛されていると思います。